京都の相続専門田中信男税理士事務所

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相続税対策の方法一覧

      2016/06/05

1.暦年贈与

暦年贈与の概要

1人の人が、一暦年(1/1~12/31)の間に贈与を受けた財産の総額によって贈与税が算定されます。贈与税には非課税枠110万円があり、暦年で110万円以下の贈与の場合は無税ということになります。また110万円を超えた場合は税金が発生しますが、以下に贈与税率表とその計算例を記載します。

贈与税率表と計算例(出典:国税庁HP)

「贈与税の速算表」
平成27年以降の贈与税の税率は、次のとおり、「一般贈与財産」と「特例贈与財産」に区分されました。

【一般贈与財産用】(一般税率)
この速算表は、「特例贈与財産用」に該当しない場合の贈与税の計算に使用します。
例えば、兄弟間の贈与、夫婦間の贈与、親から子への贈与で子が未成年者の場合などに使用します。

基礎控除後の課税価格 200万円
以下
300万円
以下
400万円
以下
600万円
以下
1,000万円
以下
1,500万円
以下
3,000万円
以下
3,000万円
税 率 10% 15% 20% 30% 40% 45% 50% 55%
控除額 10万円 25万円 65万円 125万円 175万円 250万円 400万円

【特例贈与財産用】(特例税率)
この速算表は、直系尊属(祖父母や父母など)から、その年の1月1日において20歳以上の者(子・孫など)※への贈与税の計算に使用します。
※「その年の1月1日において20歳以上の者(子・孫など)」とは、贈与を受けた年の1月1日現在で20歳以上の直系卑属のことをいいます。
例えば、祖父から孫への贈与、父から子への贈与などに使用します。(夫の父からの贈与等には使用できません)

基礎控除後の課税価格 200万円
以下
400万円
以下
600万円
以下
1,000万円
以下
1,500万円
以下
3,000万円
以下
4,500万円
以下
4,500万円
税 率 10% 15% 20% 30% 40% 45% 50% 55%
控除額 10万円 30万円 90万円 190万円 265万円 415万円 640万円

贈与税の具体的な税額計算は、次の(1)~(3)の計算例を参考にしてください。

(1) 「一般贈与財産用」の計算をする場合
(2) 「特例贈与財産用」の計算をする場合
(3) 「一般贈与財産用」と「特例贈与財産用」の両方の計算が必要な場合

(1)「一般贈与財産用」の計算
例えば、次のような贈与の場合に、この計算方法になります。
・ 直系尊属以外の親族(夫、夫の父や兄弟など)や他人から贈与を受けた場合
・ 直系尊属から贈与を受けたが、受贈者の年齢が財産の贈与を受けた年の1月1日現在において20歳未満の者の場合(20歳未満の子や孫の場合)

(例)贈与財産の価額が500万円の場合(「一般税率」を使用します。)
・基礎控除後の課税価格 500万円-110万円=390万円
・贈与税額の計算  390万円×20%-25万円=53万円

(2)「特例贈与財産」の計算
例えば、財産の贈与を受けた年の1月1日現在において20歳以上の子や孫が父母又は祖父母から贈与を受けた場合に、この計算方法になります。
(例)贈与財産の価額が500万円の場合(「特例税率」を使用します。)
・基礎控除後の課税価格 500万円-110万円=390万円
・贈与税額の計算  390万円×15%-10万円=48.5万円

(3)「一般贈与財産用」と「特例贈与財産用」の両方の計算が必要な場合
例えば、20歳以上の方が、配偶者と自分の両親の両方から贈与を受けた場合などに、この計算になります。

この場合には、次のように計算します。

①全ての財産を「一般税率」で計算した税額に占める「一般贈与財産」の割合に応じた税額を計算します。
②全ての財産を「特例税率」で計算した税額に占める「特例贈与財産」の割合に応じた税額を計算します。
③納付すべき贈与税額は、①+②合計額です。

(例)一般贈与財産が100万円、特例贈与財産が400万円の場合の計算
①この場合、まず、合計価額500万円を基に次のように計算します。
(全ての贈与財産を「一般贈与財産」として税額計算)
・500万円-110万円=390万円
・390万円×20%-25万円=53万円
(上記の税額のうち、一般贈与財産に対応する税額(一般税率)の計算)
53万円×100万円/(100万円+400万円)=10.6万円…①

次に「特例贈与財産」の部分の税額計算を行います。

②この場合も、まず、合計価額500万円を基に次のように計算します。
(全ての贈与財産を「特例贈与財産」として税額計算)
・500万円-110万円=390万円
・390万円×15%-10万円=48.5万円
(上記の税額のうち、特例贈与財産に対応する税額(特例税率)の計算)
48.5万円×400万円/(100万円+400万円)=38.8万円…②

(贈与税額の計算)
③贈与税額 =①一般贈与財産の税額+②特例贈与財産の税額
上記の場合①10.6万円+②38.8万円=49.4万円…贈与税額

暦年贈与の注意点

1.贈与契約書を作成しましょう。
贈与のたびに贈与契約書を交わしてください。日付を入れ、贈与者及び受贈者の署名押印をしてください。形式は自由です。

2.現金の贈与は、銀行を使いましょう。
現金の手渡しでは証拠が残りません。贈与者の口座から受贈者の口座へお金を振り込み、お金が動いた証拠を通帳に残しましょう。

3.名義預金とされないように注意しましょう。
口座を使って贈与するなら、振込先の受贈者の口座は、その受贈者の口座であり、その受贈者が印鑑や通帳を管理していることが必要です。例えば、贈与者である祖父が可愛い3歳の孫のために孫名義で口座を作り、毎年この口座に現金を振り込んでいた場合は「名義預金」とされて、口座の名義は孫であっても実質は祖父の財産であるとされてしまいます。

4.連年贈与とされないように注意しましょう。
暦年贈与は、毎年1月から12月までの間に110万円贈与しても非課税となりますが、注意点があります。生前に暦年贈与で贈与した現金が、毎年同じ時期に同じ金額を継続的に贈与していた場合、最初からまとまった金額を贈与するつもりだったとみなされてしまうことがあります。毎年同じ時期に110万円の暦年贈与を10年間続け、合計で1,100万円を贈与したとします。しかし税務調査で、この贈与は最初から1,100万円を贈与するつもりだったいわゆる「連年贈与」であると指摘された場合は、毎年110万円という非課税枠で贈与していたにもかかわらず、1,100万円を一括で贈与したこととみなされてしまいます。したがって「毎年の贈与する金額はバラバラである」という暦年贈与が安全と思われます。

5.贈与契約書、通帳コピー、贈与申告書はしっかりと保管しましょう。
贈与財産が非課税枠の110万円を超える場合は贈与申告書の提出が必要ですが、税務署の収受印が押された贈与税申告書の控えは大切に保管しておいてください。税務署は申告書を永久に保管しているわけではなく、7年間ほどしか保管していないようです。証拠はご自身でしっかり管理する必要があります。

6.三年以内の贈与は生前贈与加算の対象になります。
節税のためには、子供をとばして孫へ贈与することを考えましょう。子供への暦年贈与は、亡くなる前三年以内の分は相続財産へ持ち戻され相続税の計算対象となり、その暦年贈与は無意味になります。一方孫への暦年贈与は、孫は相続人ではないため三年以内の持ち戻しはありません。相続の時期が近づいていると感じるときは、孫へ贈与すると節税になります。注意すべき点は、遺言で孫に財産を与えると、孫が相続人となるため三年以内の持ち戻しの対象となりますので注意です。

2.墓石・仏壇の購入

墓地の使用権や墓石、仏壇などは相続財を計算する際の財産には含まれません。そのため相続する財産のうち現金が多い場合には、生前に墓石や仏壇を購入して相続財産を減らすことも相続税対策になります。
一点の注意点は「生前に現金で一括で」購入することです。死後にローンが残る場合や、亡くなってから相続財産で購入しても控除の対象にはなりません。

3.住宅取得等資金贈与の非課税制度

制度の概要

この制度は、両親や祖父母からマイホーム購入のための資金の贈与を受けても一定金額は非課税となる制度です。非課税制度の枠は500万円、1,000万円、1,200万円、1,500万円と年度によって流動的に変わりますので注意が必要です。

注意点

1.例えば平成28年3月に良質な住宅を購入する場合は、1,200万円まで両親や祖父母から住宅資金の贈与を受けても非課税となります。これはもらう人一人あたりの金額であり、もし長男が父親から1,200万円、母親から1,200万円それぞれ贈与を受け合計2,400万円だったとしても非課税枠は1,200万円までで、それを超える部分は課税されます。

2.また「購入後のローン返済のためにまとまった金額を贈与」しても非課税の対象とはなりません。あくまで「家を買うための資金」の贈与が対象であり、「借金返済に充てるための資金」は対象となりません。

3.この制度を利用した場合の現預金の贈与は、亡くなる前三年以内の贈与であったとしても相続財産への持ち戻しはされません。

教育資金一括贈与の非課税

概要

30歳未満の個人に直系尊属である祖父母などが教育資金として生前贈与する場合、一括で1,500万円まで非課税で贈与できる制度です。贈与できる孫の数に制限はありません。この制度を利用するには、まず祖父母が信託銀行や銀行などの金融機関で取り扱う、教育資金贈与関連の商品を利用して口座を開設、資金を預けます。その手続きと同時に「教育資金非課税申告書」を、その金融機関に提出します。この時点で税務署長へも提出したものとみなされます。贈与する側の手続きはこれで完了です。一方、贈与を受ける子や孫の側は、教育資金の支払いに充てたことを証明する書類(学校が発行する領収書など)を金融機関に提出し、口座から資金を受取ります。

注意点

1.教育資金に該当するものとしては、①学校などに直接支払われる入学資金、授業料などの金銭②500万円を限度として、塾や習い事など学校以外に直接支払われる金銭が該当します。

2.教育資金として利用できる期間が30歳の誕生日前日までに限られています。30歳に達した日に特例は終了し、口座に残った金額は「贈与」されたものとされ贈与税を支払わなければなりません。

3.この制度を利用した場合の現預金の贈与は、亡くなる前三年以内の贈与であったとしても相続財産への持ち戻しはされません。

結婚・子育資金一括贈与の非課税制度

概要

祖父母や両親から20歳以上50歳未満の子や孫に対して、結婚・出産・子育てに関する一括贈与が1,000万円まで非課税となります。結婚関係の費用は300万円までに限られます。

結婚・子育て資金 とは?

(1) 結婚に際して支払う次のような金銭(300万円限度)をいいます。
① 挙式費用、衣装代等の婚礼(結婚披露)費用(婚姻の日の1年前の日以後に支払われるもの)
② 家賃、敷金等の新居費用、転居費用(一定の期間内に支払われるもの)
(2) 妊娠、出産及び育児に要する次のような金銭をいいます。
③ 不妊治療・妊婦健診に要する費用
④ 分べん費等・産後ケアに要する費用
⑤ 子の医療費、幼稚園・保育所等の保育料(ベビーシッター代を含む)など

この非課税制度の適用を受けるためには、結婚・子育て資金口座の開設等を行った上で、結婚・子育て資金非課税申告書をその口座の開設等を行った金融機関等の営業所等を経由して、信託や預入などをする日(通常は結婚・子育て資金口座の開設等の日となります。)までに、受贈者の納税地の所轄税務署長に提出しなければなりません(結婚・子育て資金非課税申告書は、金融機関等の営業所等が受理した日に税務署長に提出されたものとみなされます。)。

注意点

1.子や孫が50歳に達した時点で使い残しがあると贈与税の課税対象となります。

2.終了前に贈与者が死亡した場合には、使い残しがあると贈与者の相続財産に加算されるため、相続税の対象となります。この点は教育資金贈与とは異なりますので注意してください。

3.結婚や出産・子育て費用は、1回の支払いがそれほど多額でない場合が多いです。

小規模宅地の特例

概要

この制度については、こちらのページで説明させていただいております。一次相続では配偶者が居住用宅地を相続することが多いのでその場合は必ず適用を受けましょう。

注意点

1.小規模宅地の特例は、遺産分割協議が完了していない場合は適用できませんので注意しましょう。

2.二次相続では子供が相続する可能性が高いですが、その場合は要件が厳しくなっています。実家の相続については兄弟間でしこりを生む可能性があります。慎重に検討すべき論点です。

生命保険非課税枠

概要

生命保険の非課税枠についてはこちらのページで説明させていただいております。

養子縁組による節税

概要

養子縁組による節税についてはこちらのページで解説させていただいております。

いかがだったでしょうか?「親からの暦年贈与」、「親からの住宅資金の贈与」と聞くと、「いつまでも親に甘えている」という意見があるかもしれません。しかし、京都は地価や物価が高く若い夫婦には住みにくい町です。親からの支援があれば助かると思います。言い出しにくい話題と思いますが、一度ご家族で話し合ってはどうでしょうか?

 

 - これを見れば相続税がよくわかる!