(2016年4月3日作成)(2023年7月7日再編集)

結論

・現在においては、税理士報酬は自由化されており、いくらでもありえます。
・ネット検索にすると必ず出てくる「財産総額(各種特例適用前)×0.5~1%程度」という基準は「旧税理士報酬規程による最高報酬限度額がこのように設定されていた影響」と考えられ、旧税理士報酬規程が廃止されて自由化された現在も、なぜか受け継がれていると推測されます。
・財産総額が1億円を超えると扱う相続税納税額が格段に増加する可能性が高まることを考慮し、弊所の料金設定は格段に増加しております。財産総額1億円超えの場合、「財産総額(各種特例適用前)×0.5~1%程度」を採用すると、扱う税額の高さからくる税務リスクと報酬が釣り合わないという考えです。しかしながら、大手有名税理士事務所様は反対にむしろ財産総額1億円超えの場合であっても「財産総額(各種特例適用前)×0.6%」程度に抑えられていると思われます
・大手有名税理士事務所様が「財産総額(各種特例適用前)×0.5~1%程度」を採用しているのであれば、財産が1億円、特に1.5億円を超えてくるような場合は、遺憾ながら大手有名税理士事務所様へ依頼されることを推奨いたします。
・しかし、弊所の「相続発生前から定期関与顧問プラン」は報酬金額が高額ですが、相続発生前の契約日から相続発生までの間(例えば10年間等)は相続・贈与に対する一般的な相談対応サービスを受けることができる長期的な税務顧問に対する報酬であるとするならば、納得感を感じていただけるかもしれません。

現在においては、税理士報酬は自由化されており、いくらでもありえます。

2002年(平成14年)の税理士法改正によって税理士報酬規程は撤廃されております。従いまして、現在、税理士報酬に特別決まりはありません。自由な料金設定となり、ご依頼人との合意により決定します。

「財産総額(各種特例適用前)×0.5~1%程度」という基準は「旧税理士報酬規程による最高報酬限度額がこのように設定されていた影響」と考えられ、旧税理士報酬規程が廃止されて自由化された現在も、なぜか受け継がれている

「相続税報酬 基準」「相続税報酬 目安」などでネット検索お願いいたします。相続税に特化された各有名税理士法人のホームページがこぞって「相続財産の0.5~1%程度」と記述されております。調べたところ、旧税理士報酬規程がこのようなルールであったようです。このルールを踏襲し、伝承されているようです。しかし繰り返しますが、現在税理士報酬は自由化されております。

財産総額が1億円を超えてくると、弊所の税理士報酬料金設定と、世間相場・大手有名税理士事務所様の料金設定と大きく乖離します

相続税は、財産金額の増加とともに税率が増加する累進課税制度を採用しております。そのため財産が増えるに従って算出される相続税額が跳ね上がります。下記の表をご参考ください。

・実際は生命保険非課税枠の特例や小規模宅地の特例や債務控除により相続財産の全てに課税されるわけではない
・相続人は2人以上のケースがまだまだ多く、基礎控除等によりこのような高額な相続税額にはなりにくい

あたりを注意しながらご参考ください。

・相続人子1人
・財産総額(各種特例適用前)
左記条件の相続税額世間の言う相続税報酬=財産総額(各種特例適用前)×0.5%~1%弊所独自の調査による有名大手税理士事務所の財産1.0億円超は財産総額×0.6%くらい弊所が参考として考える財産1.0億円超の場合の相続税報酬の目安(左記相続税額の10%)弊所が考える財産1.0億円超の場合の相続発生前から定期関与による相続税報酬前払い節税対応プランによる実質相続税報酬の目安世間相場とのずれ=他事務所へ依頼が合理的
4,000万円40万円20万~40万円
5,000万円160万円25万~50万円
6,000万円310万円30万~60万円
7,000万円480万円35万~70万円
8,000万円680万円40万~80万円
9,000万円920万円45万~90万円
1.0億円1,220万円50万~100万円60万122万円85万円
1.5億円2,860万円75万~150万円90万286万円172万円
2.0億円4,860万円100万~200万円120万486万円292万円世間相場とのずれ
2.5億円6,930万円125万~250万円150万693万円381万円世間相場とのずれ
3.0億円9,180万円150万~300万円180万918万円505万円世間相場とのずれ
3.5億円1億1,500万円175万~350万円210万1,150万円575万円世間相場とのずれ
4.0億円1億4,000万円200万~400万円240万1,400万円700万円世間相場とのずれ

(表1:相続人子1人の場合かつもし仮に財産総額で課税された場合の相続税額等との報酬の比較)

読み取れる結果は

・相続財産9,000万円までくらいは「財産総額(各種特例適用前)×0.5~1%程度」がフィットするように思われます。
・相続財産1億円を超えてくると扱う相続税納税額に対して「財産総額(各種特例適用前)×0.5~1%程度」では乖離するように思われます。
・弊所は相続財産1億円を超えてくる場合、扱う相続税納税額の10%くらいが適正ではないかという独自の見解です。
・しかし、大手有名税理士事務所様は1億円を超えた場合でもむしろ財産総額×0.6%程度に抑える傾向があります。
・弊所独自サービス、相続発生前から定期関与顧問による相続税前払い節税対応プラン、を選択し、節税効果を発揮した場合でも、相続財産が1.5億円を超えてくると世間相場である「財産総額(各種特例適用前)×0.5~1%程度」と乖離いたします。

あくまで税理士報酬の金額面のみをお考えの場合、特に財産総額が1.5億円を超えるような場合は他税理士様への依頼を推奨いたします

大手有名税理士事務所様が「財産総額(各種特例適用前)×0.5~1%程度」を採用しているのであれば、財産が1億円、特に1.5億円を超えてくるような場合は、大手有名税理士事務所様へ依頼されることを推奨いたします。

弊所の「相続発生前から定期関与顧問プラン」は報酬金額が高額ですが、相続発生前の契約日から相続発生までの間(例えば10年間等)は相続・贈与に対する一般的な相談対応サービスを受けることができる長期的な税務顧問に対する報酬であるとするならば、納得感を感じていただけるかもしれません。

しかし、相続発生前から定期関与顧問プランは、他事務所様の一般的な相続業務とは異なり、長期的なサービスですので、その長期期間に対する報酬ということを勘案すれば、ご納得いただける点もあるかもしれません。

まとめ

・「財産総額(各種特例適用前)×0.5~1%程度」という基準には実は根拠はありません。
・財産総額(各種特例適用前)が1.5億円以下である場合は、弊所をご検討いただけると幸いです。
・財産総額(各種特例適用前)が1.5億円を超える場合は、遺憾ながら他事務所様へのご依頼を推奨いたします。
・しかし、相続発生前からの長期的な税務顧問サービスをうけることができる点において、弊所サービスの長所となります。