(2016年4月3日作成)(2023年7月7日再編集)(2025年4月8日再編集)(2025年5月19日再編集)
結論
・現在においては、税理士報酬は自由化されており、いくらでもありえます。
・ネット検索にすると必ず出てくる「財産総額(各種特例適用前)×0.5~1%程度」という基準は「旧税理士報酬規程による最高報酬限度額がこのように設定されていた影響」と考えられ、旧税理士報酬規程が廃止されて自由化された現在も、なぜか受け継がれていると推測されます。
・相続発生後かつ財産総額が1億円を超えると扱う相続税納税額が格段に増加する可能性が高まることを考慮し、弊所が妥当すると考える報酬料金と世間相場は乖離します。
・しかしながら、相続発生後かつ財産総額が1億円を超えても有名大手税理士事務所は「財産総額(各種特例適用前)×0.5~1%程度」を順守する傾向にあります。
・相続発生後かつ財産総額が1億円超の有名大手税理士事務所の報酬金額と弊所独自サービスの相続発生前から定期関与相続税顧問プラン料金とが同額程度の傾向がありますが、そもそも前提が異なるサービスとなり単純比較は困難です。
・被相続人の相続財産が2億円以上のような場合においてはそもそもスポットで税理士を探すことが少ないと予想され税理士事務所が明示する報酬規程も1億円を超えたあたりから雑になる傾向があります。
・まとめると相続案件において税理士を探す場合は相見積もりを推奨いたします。
下記で詳細を記述します。
現在においては、税理士報酬は自由化されており、いくらでもありえます。
2002年(平成14年)の税理士法改正によって税理士報酬規程は撤廃されております。従いまして、現在、税理士報酬に特別決まりはありません。自由な料金設定となり、ご依頼人との合意により決定します。
「財産総額(各種特例適用前)×0.5~1%程度」という基準は「旧税理士報酬規程による最高報酬限度額がこのように設定されていた影響」と考えられ、旧税理士報酬規程が廃止されて自由化された現在も、なぜか受け継がれている
「相続税報酬 基準」「相続税報酬 目安」などでネット検索お願いいたします。相続税に特化された各有名税理士法人のホームページがこぞって「相続財産の0.5~1%程度」と記述されております。調べたところ、旧税理士報酬規程がこのようなルールであったようです。このルールを踏襲し、伝承されているようです。しかし繰り返しますが、現在税理士報酬は自由化されております。よって明確に根拠は存在しません。
相続発生後かつ財産総額が1億円を超えても有名大手税理士事務所は「財産総額(各種特例適用前)×0.5~1%程度」を順守する傾向にありますが、弊所の考えとは乖離します
相続税は、財産金額の増加とともに税率が増加する累進課税制度を採用しております。そのため財産が増えるに従って算出される相続税額が跳ね上がります。下記の表をご参考ください。
・実際は生命保険非課税枠の特例や小規模宅地の特例や債務控除により相続財産の全てに課税されるわけではない。
・相続人は2人以上のケースがまだまだ多く、基礎控除等によりこのような高額な相続税額にはなりにくい。
・しかし可能性としては高額な納税額を取り扱う可能性は存在する。
などを注意しながらご参考ください。
・相続人子1人 ・財産総額(各種特例適用前) | 左記条件の場合の発生可能性のある最大相続税額 | 世間の言う相続税報酬=財産総額(各種特例適用前)×0.5%~1% | 有名大手A税理士事務所相続税報酬 | 有名大手B税理士事務所相続税報酬 | 有名大手C税理士事務所相続税報酬 | 有名大手D税理士事務所相続税報酬 | 弊所が妥当すると考える相続税報酬 | 世間相場とのずれ | 納税者がネットで相続税理士を探す可能性がある層か? |
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4,000万円 | 40万円 | 20万~40万円 | 70万円 | 50万円~ | 50万円~ | 28万円~ | 20万円 | - | 可能性有 |
5,000万円 | 160万円 | 25万~50万円 | 70万円 | 50万円~ | 50万円~ | 28万円~ | 25万円 | - | 可能性有 |
6,000万円 | 310万円 | 30万~60万円 | 70万円 | 50万円~ | 50万円~ | 28万円~ | 30万円 | - | 可能性有 |
7,000万円 | 480万円 | 35万~70万円 | 70万円 | 50万円~ | 50万円~ | 28万円~ | 40万円 | - | 可能性有 |
8,000万円 | 680万円 | 40万~80万円 | 90万円 | 60万円~ | 66万円~ | 38万円~ | 50万円 | - | 可能性有 |
9,000万円 | 920万円 | 45万~90万円 | 90万円 | 60万円~ | 66万円~ | 38万円~ | 50万円~80万円 | - | 可能性有 |
1.0億円 | 1,220万円 | 50万~100万円 | 90万円 | 60万円~ | 66万円~ | 38万円~ | 80万円~100万円 | - | 可能性有 |
1.5億円 | 2,860万円 | 75万~150万円 | 100万円 | 80万円~ | 83万円~ | 54万円~ | 100万円~200万円 | 世間相場とのずれ | 可能性有 |
2.0億円 | 4,860万円 | 100万~200万円 | 130万円 | 100万円~ | 110万円~ | 66万円~ | 150万円~300万円 | 世間相場とのずれ | 可能性低い |
2.5億円 | 6,930万円 | 125万~250万円 | 150万円 | 130万円~ | 130万円~ | 72万円~ | 200万円~500万円 | 世間相場とのずれ | 可能性低い |
3.0億円 | 9,180万円 | 150万~300万円 | 180万円 | 150万円~ | 160万円~ | 77万円~ | 400万円~800万円 | 世間相場とのずれ | 可能性低い |
3.5億円 | 1億1,500万円 | 175万~350万円 | 見積り | 190万円~ | 220万円~ | 88万円~ | 700万円~1,500万円 | 世間相場とのずれ | 可能性低い |
4.0億円 | 1億4,000万円 | 200万~400万円 | 見積り | 190万円~ | 275万円~ | 88万円~ | 1,200万円~2,000万円 | 世間相場とのずれ | 可能性低い |
(表1:相続人子1人の場合かつもし仮に財産総額で課税された場合の相続税額等との報酬の比較)
読み取れる結果は
・確かに相続財産1億円までは「財産総額(各種特例適用前)×0.5~1%程度」が妥当するように思われます。
・しかし相続財産1億円を超ると扱う可能性がある相続税納税額に対して「財産総額(各種特例適用前)×0.5~1%程度」では乖離する、というのが弊所の考えです。
・しかしながら大手有名税理士事務所様は1億円を超えた場合でも「財産総額(各種特例適用前)×0.5~1%程度」を順守しているように解されます。
・税理士報酬は自由化されており「財産総額(各種特例適用前)×0.5~1%程度」に明確な根拠がないことから、多くの事務所で掲載されている報酬料金は雑(適当)である可能性が高いです。
・以上より相続税報酬は税理士事務所によりかなりばらつきがある可能性が高いことからいずれにせよ「相見積もり」を推奨いたします。
相続発生後かつ財産総額が1億円超の有名大手税理士事務所の報酬金額と弊所独自サービスの相続発生前から定期関与相続税顧問プラン料金とが同額程度の傾向がありますが、そもそも前提が異なるサービスとなり単純比較は困難です。
1億円超えの財産の場合は、相続発生後の有名大手税理士事務所の報酬と弊所独自の相続発生前から相続税顧問の報酬が価格の面では似ている傾向にありますが、そもそもサービスの前提が異なるため比較は困難と解されます。
被相続人の相続財産が2億円以上のような場合においてはそもそもスポットで税理士を探すことが少ないと予想され税理士事務所が明示する報酬規程も1億円を超えたあたりから雑になる傾向があります
こちらのページをご参考ください。
財産2億円以上の納税者がネットで税理士を探すのかや現状の相続専門税理士の報酬規程等を弊所独自に分析
まとめ
・「財産総額(各種特例適用前)×0.5~1%程度」という基準には実は根拠はありません。
・相続税案件の依頼については相見積もりを推奨します。