(2023年9月6日作成)

結論

・平成25年12月31日以前の相続においては、1棟の建物に二世帯が住んでいる二世帯住宅は、「構造上」で区分されているか、独立しているかが論点でした。親世帯と子世帯が、行き来できない構造の建物に住んでいる場合は小規模宅地等の特例が適用できませんでした。
・平成26年1月1日以後の相続においては、「区分登記されているかされていないか」が論点となります。しかし、区分登記要件は分譲マンションである場合を避けるための条文によるものであり、一軒家で該当するケースはまれであるように解されます。二世帯住宅の構造上において、親世帯と子世帯が行き来できない、入口が全く別、であっても適用できることとなりました。

平成26年1月1日以後の相続における二世帯住宅と小規模宅地等の特例を解説

税法や税制は、納税者である国民の生活への過度な負担となってはいけません。二世帯住宅を建てる、となるとまずは予算や間取りや、建設後のすぐの生活などを考慮することが最優先事項でしょう。建物の構造や作りが将来の相続税に影響があり、建築時点でそのことを考慮しなければならないのは過度な負担となるでしょう。平成25年12月31日以前の相続においては、親世帯と子世帯のプライバシーを考慮した完全分離型の二世帯住宅は小規模宅地等の特例の適用外でした。つまり、若い時に建てた家について何十年後に相続が発生した場合に、完全分離型の二世帯住宅は税法面において後悔する結果となっていたわけですが、これはあまりにも酷でしょう。

平成26年1月1日以後の現在の相続税法においては、1棟の建物において2階が子世帯、1階が親世代として住んでおり、中で行き来もできない、外の入り口は完全に別、と建物の構造上は別居のような構造でも、小規模宅地等の特例が適用されることとなります。

平成26年1月1日以後の相続における区分登記要件は同じ分譲マンションンに近居している場合の不合理なケースを除外しているにすぎません

繰返しになりますが、平成26年1月1日以後の相続においては「1棟の建物において入り口や構造が完全に別でも小規模宅地等の特例が適用可能」ということでした。そうなると、とても大きな1棟の分譲マンションにおいて101号室に親世帯、301号室に子世帯が住んでいた場合も適用されるのではないか?と疑問が生じることになります。従って、「区分所有建物登記がされている場合を除く」とされました。

一軒家で区分登記をされているケースはまれではないでしょうか?

上記の「区分登記要件」を受けて、ネット記事等で「区分登記に気をつけましょう」とアナウンスがありますが、一軒家において、2階を子世帯の区分登記、1階を親世帯の区分登記のようにしているケースはレアではないでしょうか。

被相続人(親)の広い同一の敷地に子世帯用の家が横並び?の二世帯住宅?があり使用貸借で住んでいる場合は同一生計の場合のみ小規模宅地等の適用あり

・上記の二世帯住宅は1棟の建物で1階と2階の縦の話でした。
・では、広い土地に親世帯の家と子世帯の家が2棟立っているような場合の近居のような同居の場合はどうなるか?

が気になるところとなります。この場合は、特定居住用宅地等の要件における、被相続人と生計を一にしていた被相続人の親族の居住の用に供されていた宅地等、に該当する場合は小規模宅地等の特例があります。

従って、別生計の場合は、適用不可となります。

まとめ

平成26年1月1日以後の相続において、二世帯住宅と小規模宅地等の特例の判定については、建物の構造が繋がっているかどうかという構造上は気にしなくてもよくなりました。