(2024年1月31日作成)

結論

・相続税申告については、税理士が約85%の割合で関与しており、相続人である納税者が自分で自力で申告することは少ないと解されます。
・相続税申告については、その関与税理士が約20%の割合で書面添付をしています。
・相続税申告の実地税務調査については、税理士が関与している割合が高いにもかかわらず約80%で非違が指摘されています。

以下で詳細を記述します。

相続税申告について税理士に依頼する割合は?

税理士関与割合27年度28年度29年度30年度令和元年度2年度3年度4年度平均
所得税20.020.220.220.320.621.121.020.420.5
相続税89.884.084.485.085.786.186.185.985.9
法人税88.488.788.989.189.389.489.589.589.1
書面添付割合27年度28年度29年度30年度令和元年度2年度3年度4年度平均
所得税1.21.31.31.41.41.41.51.51.4
相続税13.615.618.220.121.522.223.123.419.7
法人税8.68.89.19.59.79.89.810.09.4

(表1)税目別税理士関与割合及び書面添付割合

相続税申告における税理士への依頼割合は約85%です

相続が発生し、被相続人の財産を目算したところ、どうやら相続税の申告が必要なようであると思われた時、税理士に依頼するかそれとも自分で自力で相続税を申告するか迷われるかもしれません。しかし相続税申告における税理士への依頼割合は約85%となっており、なかなか自分で自力で相続税申告を行うことは難しいことが理由と解されます。

自分で自力で相続税申告を行うことについては下記をご参考ください。

自分で自力で相続税申告できるのかについて
自分で自力で相続税申告できるという相続税ソフトを分析します

上記を考慮しまして、弊所としては相続税については相続専門税理士へ依頼することがメリット大きく推奨いたします。理由は、相続税申告については、ご自身が相続人として申告に関与していくことは一生において1度又は2度程度と解されます。その1度や2度のために、時間をかけた知識の吸収や税務リスクを負うことにあまりメリットが感じられないように解されます。

反対に、所得税における税理士関与割合は約20%となっており「所得税については自分で自力で行うことが主流」となっております。所得税申告については、事業をしていれば毎年必須となるわけですから、一度マスターしてしまえばその後数年、数十年における税理士報酬の削減のメリットが見込めます。実際に、弊所は「個人事業主3年で税理士卒業プラン提供税理士事務所」としても活動しております。

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相続税申告における書面添付割合は約20%

まず書面添付とは、については下記を参照ください。

 

書面添付を簡潔にまとめますと

・書面添付とは、申告書を作成した税理士がその作成過程について検討した資料や計算根拠などをまとめた書面を添付して、申告書について補足説明する制度となります。
・書面添付があるからといって税務調査が省略されるわけでは無い

ということとになります。上記表を見ますと

・所得税の書面添付割合の平均、1.4%
・相続税の書面添付割合の平均、19.7%
・法人税の書面添付割合の平均、9.4%

となり、相続税が突出している割合となります。この理由について、相続税の計算根拠となる資料は、通帳や履歴事項全部証明書(登記簿謄本)といった基本的な、型にはまった資料もあれば、独自の独特の資料など多岐にわたり、この資料がこの計算根拠となっている、というような補足、注意書きによる説明をした方がわかりやすくなります。反対に無ければよくわからず、見た人に疑義が生じます。相続税申告書を見る人とは「税務署職員」であるわけですから、税務職員が疑義を感じたのであれば税務調査の動機となりえます。そのため相続税申告においては書面添付の割合が高いように解されます。

では、書面添付した場合の税務調査の割合はどのようになるのでしょうか。

所得税や法人税と比較して相続税の税務調査はどうなのか?

所得税法人税相続税における実地調査簡易な接触非違割合税理士関与割合書面添付割合平均比較所得税法人税相続税
特別・一般・着眼実地調査の合計件数(平均)/件56,862 76,000 11,228
上記非違割合/%83.574.783.4
簡易な接触件数(平均)/件547,849 57,600 11,789
上記非違割合/%56.6非公表24.3
税理士関与割合(平均)/%20.589.185.9
書面添付割合(平均)/%1.49.419.7

(表2)税目別実地調査簡易な接触非違割合税理士関与割合書面添付割合平均比較

調査件数の比較

・所得税年間実地調査件数平均、56,000件
・法人税年間実地調査件数平均、76,000件
・相続税年間実地調査件数平均、11,000件

となり、所得税及び法人税に比べて少ないです。この理由として

・所得税及び法人税にくらべて申告件数が少ない
・所得税及び法人税にくらべて相続税の税務調査官の数が少ない

というのが理由と解されます。

税理士関与割合及び書面添付割合と実地税務調査非違割合の比較

・所得税の税理士関与割合20.5%、書面添付割合1.4%、実地税務調査の非違割合、83.5%
・法人税の税理士関与割合89.1%、書面添付割合9.4%、実地税務調査の非違割合、74.7%
・相続税の税理士関与割合85.9%、書面添付割合19.7%、実地税務調査の非違割合、83.4%

となります。つまり、相続税申告については税理士関与割合が高く、書面添付割合も高いにも関わらず、実地税務調査が行われた場合の非違割合も高い、という結果となりました。

今後は相続税申告について税理士に依頼すれば安心ではなく、税理士に自信のある相続税申告書を作成してもらうことが安心となります

上記の結果をみて、

相続税申告について税理士に依頼しても非違が指摘されるのであれば、税理士に依頼する意味はないのではないか?

と思われた方がおられるかもしれません。しかし、

・所得税の税理士関与割合20.5%、書面添付割合1.4%、実地税務調査の非違割合、83.5%

であり、税理士関与割合が低い所得税も実地税務調査の非違割合が高いわけですから、「相続税申告について税理士に依頼しなければ非違割合はもっと上昇する」と解されます。では、相続税申告において実地税務調査の非違割合を下げるのはどうすれば良いのでしょうか。

単純ですが、税理士に相続税申告作成についての時間及び情報を十分に与えて、税理士に自信のある相続税申告書を作成してもらうこと、となります。

こちらのページをご参考ください。

弊所が相続発生前から定期関与顧問による相続税報酬前払い節税対応プランを提供している理由について

まとめ

・相続税申告については税理士関与及び書面添付割合が高いにも関わらず、実地税務調査時の非違指摘割合が高いです。
・相続税申告における実地税務調査時の非違割合を下げるには、相続発生前から税理士に相談するなどして、相続税申告書を作成する税理士に十分な時間及び情報を与えることが重要と解されます。