相続人を確定しなければ何も始まらない
遺産分割を行うには、認知した子、養子縁組した子などすべて調べて確定しなければなりません。相続人が1人でも欠けていた場合は、せっかく遺産分割行儀がまとまっていてもすべての内容は無効になります。相続人を確定するには、被相続人のすべての戸籍を調べる必要があります。
戸籍を調べるとは?
戸籍には、どこで生まれ、誰が親で、いつどこで死亡したかなど、出生から死亡までの身分事項が記載されています。夫婦を一単位として、その子までを同一戸籍とし、市区町村単位で管理されます。
戸籍には、戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本、などがあります。戸籍謄本とは、戸籍内のすべての者の記録を書面の形で発行してもらったものを言います。
戸籍により記載されているものが死亡した場合や、結婚によりほかの戸籍に移った場合などは、名前がバツで抹消されます。これを除籍と言います。戸籍内のすべての者が除籍した場合や本籍をほかの市町村に移した場合(転籍)は、その戸籍自体を除籍といい、その写しを除籍謄本といいます。
また、法改正により戸籍は何度か改製(作り直し)されており、改製前の戸籍を改製原戸籍といいます。主な改正としては、昭和32年と平成6年に戸籍の改製があります。
戸籍の調査は、まず被相続人の最後の本籍地の役場で戸籍謄本を取ることから始まります。遠隔地の場合は、郵送でも請求できます。本籍地が解らなければ、本籍地入りの住民除票(住民登録が抹消された住民票)を取り寄せればわかります。
婚姻、転籍、改製などにより、新しい戸籍が編製されるとき、すでに除籍されたものは記載されません。そのため、すべての相続人を確認するには、ひとつひとつ戸籍をさかのぼって追跡していかなければならないのです。