(2023年8月27日作成)

弊所のコンセプトを理由づけた重要論点の解説となります

・相続税計算において現金預貯金は最も簡単で難易度が低いという一般的な認識とは対照的に、相続税税務調査の指摘される申告漏れ財産の構成比35%であること
・ネット記事による解説、相続税専門書籍の解説、であってもなぜか現金預貯金はさらっと解説されている現状について
・今後のキャッシュレス決済のますますの発展について「使途不明金=家事費家庭費生活費でごまかして結論付けるやり方」は通用しなくなってくるであろうという予測

これらの内容について解説いたします。

名義預金とは?

名義財産の定義

・名義財産という言葉について法律上の定義は存在しません。

・一般的な定義として、預貯金や保険、株式、不動産といった財産に関し、名義人と真実の所有者が異なる場合のその財産を指すとされています。よって本文中も当該意味として使用します。

 

名義預金の定義

・名義預金という言葉について法律上の定義は存在しません。

・一般的な定義として、預貯金口座の名義人と真実の所有者が異なる預貯金口座をさす、具体的には被相続人が配偶者や子供・孫の名義で作成した口座に現金を入金している預貯金口座を指すとされています。よって本文中も当該意味として使用します。

名義預金は時効は存在しないのか?

その考えでいけば、計上済みの通帳における預金残高の7年前以前分は相続税の対象外となる

 

結論

 

現金預貯金等は評価が簡単、補足が難しい

 

 

相続税において現金預貯金等は一番簡単!という世間のイメージですが、、、、

 

現金、相続発生時の現金残高

預貯金、相続発生時の通帳の残高

 

 

国税庁発表の相続税の調査等の状況より

参考計表

現金預貯金30%

 

相続税の税務調査に関しては「名義預金を制する者が税務調査対策を制する」と言っていいくらい重要性が高い項目である(安部和彦「税務調査であわてない名義財産の税務第3版」p88)、との記述があります

 

なぜこのようなことが起こるか原因

ネット検索上位の記事において異口同音の記事が並ぶ影響

・普通預金の相続税評価額は相続開始日の預金残高です。

・定期預金は既経過利息に気を付けましょう。

・相続開始直前に引き出した現金は現金として評価することに注意しましょう。

・名義預金に気を付けましょう。相続開始前5年程度の通帳の内容は検討しましょう。

 

重要項目が実にあっさりと記述されています。

 

 

相続税に関する書籍における解説の影響

 

 

 

・相続開始直前に引き出した現金は現金として評価することに注意しましょう、とはこのようなことです。

債務控除における葬式費用の二重控除に気を付けましょう、にも影響します。

 

通帳の図を作成

 

・直前に引き出した現金が家族名義の口座に入金されていたらそれはまさに名義預金ではないのか?

・名義預金は直前の引出だけの話か?むしろ数年前のものも影響するのではないのか?

 

名義預金は何が複雑か?(被相続人の預金のお金が他者に渡ったという現象の2つの認定)

・被相続人の預金のお金が他者に渡った→それは贈与である→贈与税の発生もあれば、贈与税の時効もある→納税者=相続人にとって有利な場合もあれば不利な場合もある

・被相続人の預金のお金が他者に渡った→それは名義預金である→贈与税の発生は無いが、名義預金に時効は無く数十年前のものであっても被相続人の財産→納税者=相続人にとって有利な場合もあれば不利な場合もある

・当然ながら、納税者=相続人にとって有利な解釈に進めることなど許されず、事実に基づいて判定されるべきものであります。

・ネット銀行により口座管理すら大変

・クレカ引き落としの一般化より通帳のみの摘要では

・キャッシュレスチャージの登場

・被相続人の存命中に被相続人に聞きことが一番確実ではないでしょうか。→弊所サポート発案のきっかけでもあります。

 

弊所独自のサービスの内容

・所得税法人税のための会計ソフト、会計王を利用した相続税の財産把握の方法