(2023年8月27日作成)

現存する自分で自力で相続税申告可能とされている相続税ソフトは国税庁相続税の申告要否判定コーナーを改良し、そのまま税務署へ提出可能にしたようなイメージのソフトであると解されます

「相続税 自分で申告 ソフト」と検索するといくつかソフトが散見されます。また、みなさんが利用しやすいように基本料金無料というものが多いです。

これらのソフトは税理士から見てどう思うのかは気になられるかもしれません。そこで、京都の相続専門税理士が、あくまで独自に分析いたします。

相続税ソフト一覧まとめ(安価であることを条件に)

まずは代表的な相続税ソフト一覧

弊所独自分析パターン製品名料金コメント
非税理士相続税初心者が自分で自力で相続税申告書作成向けと解されるソフトAI相続完全無料操作性は国税庁相続税の申告要否判定コーナーに似ているという印象です
TASKI申告書出力前は無料操作性は国税庁相続税の申告要否判定コーナーに似ているという印象です
better相続55,000円(税込)操作性は国税庁相続税の申告要否判定コーナーに似ているという印象です
ひとりで申告できるもんアップデートのためサービス停止中検証不能
税理士が使用する相続税ソフトと同レベルの操作性と解されるソフト2in1相続管理システム【パーソナル版】7日間無料期間終了後、5,390円(税込)/年相続税初心者には不向きと解されます。
Excelで相続税申告書非税理士の場合18,000円(税込)相続税初心者には不向きと解されます。
WEB相続税申告書非税理士、年額 22,000円 (税込)相続税初心者には不向きと解されます。
税理士が使用するいわゆる相続税ソフト相続税の達人及び財産評価の達人約5万円/年相続税初心者には不向きと解されます。

税理士事務所が導入するような相続税ソフトにおいて、高額なもの安価なもの様々あります。ただ、理解不能なほど高額なソフトもあるため、あくまで弊所独自として選外としております。

本ページにおいては、非税理士の方が自分で自力で相続税申告可能になるためのソフトを解説する趣旨でありますので、下記においてはそれらに絞って解説いたします。

自分で自力で相続税申告向けソフト

製品名料金土地評価明細の有無小規模宅地等の特例計算可能かどうかコメント
AI相続完全無料無し利用ガイド動画より、計算可能であることを確認印刷まで無料のため、ぜひ試してみましょう
TASKI申告書出力前は無料無し機能なし一覧に記載が無いため反対解釈として計算可能と思われます印刷時に有料のため、無料で完結しません
better相続55,000円(税込)有りbetter相続では小規模宅地等の特例に必要な書類の作成をシステムに沿って入力すればご自身で完結できます。との記述ありそもそも有料のためハードルが高いです。
ひとりで申告できるもんアップデートのためサービス停止中不明不明不明

以上から、現状は「AI相続」の一択である、というのが弊所独自の見解となります。

AI相続を独自に解説

AI相続操作全体の流れ(引用:みなと相続コンシェル、AI相続、相続税申告ガイド)

登録から申告書完成までの使い方ガイド等より

・会員登録をする
・被相続人・相続人情報を入力する
・財産情報を入力する
・贈与・控除を入力する(画像は「相続税申告無料クラウドソフトAI相続利用ガイド」動画1分25秒の画面を引用)
・申告書のダウンロード・印刷
・税務署への提出納税

となっております。

会員登録をする

会員登録画面でお名前、電話番号、AI相続へのログインに利用するメールアドレス、ログインに利用するパスワードを入力し、会員登録する必要があるようです。

被相続人・相続人情報を入力する

ログインをして、被相続人と相続人の情報を入力します、とありました。

ここで解説させていただきます。「被相続人と相続人の情報を入力します」とさらっと記述があるのですが、法定相続人の確定はとても重要です。また場合によっては、法定相続人の確定そのものが難しいケースもあります。法定相続人の確定は大前提であり、ここが誤ると以後の計算がすべて誤ります。ここが、自分で自力で相続税申告を行うことのデメリット、リスクとなります。

もし自分で自力で相続税申告を行おうとする方であれば

相続税申告要否自己判定や自分で自力で相続税申告される方へ法定相続人及び法定相続分並びに基礎控除をざっくり解説

相続人を確定させることを詳細に解説いたします

ページをご参考ください。

財産情報を入力する

(図1)財産情報入力画面(引用:みなと相続コンシェル、AI相続、相続税申告ガイド)

相続財産の情報を上から順に入力します、と記述がありました。

ここで解説させていただきます。

まず申し上げたいのが、現金・預貯金の残高がさらっと入力されております。しかし、現金・預貯金の残高の金額ですが、本当にその金額で妥当するのでしょうか?弊所は、相続税申告においては、現金・預貯金は実は難易度が高く難しいということを提唱しております。もし仮に、当該金額が誤っていた場合は相続税申告が誤ることになります。ここが、自分で自力で相続税申告を行うことのデメリット、リスクとなります。

一般的に簡単とされているが実は難易度が高い現金預貯金の財産評価を詳細に解説します

のページをご参考ください。

次に申し上げたいのが、土地の評価金額がさらっと入力されております。土地の評価については、

・路線価方式で評価するのか倍率方式で評価するかの判断
・路線価方式であれば土地の地形による減額計算
・土地の利用状況による減額計算
(・小規模宅地等の特例は下記に記述)

など難解な論点が含んでおります。

なお、オプションサービスで「ご自身で対応が難しい土地の評価を完全定額の55,000円で、経験豊富な税理士が対応します。」という土地評価サービスを提供されているようです。

しかし、もし仮にご自身が独学で土地評価を誤って過大に評価すると損することとなります。ここが、自分で自力で相続税申告を行うことのデメリット、リスクとなります。

贈与・控除を入力する(画像は「相続税申告無料クラウドソフトAI相続利用ガイド」動画1分25秒の画面を引用)

(図2)贈与・控除入力画面(引用:みなと相続コンシェル、AI相続、「相続税申告無料クラウドソフトAI相続利用ガイド」動画1分25秒の画面)

次のページに進み、生前贈与や相次相続控除、公益法人等への寄付・遺贈などの情報を入力します、との記述がありました。

まず申し上げたいのが、当該画面において入力することにより「小規模宅地等の特例適用計算」が可能のようです。しかし自分で自力で相続税申告の場合、そもそも小規模宅地等の特例が適用可能かどうか誤る可能性があります。ここが、自分で自力で相続税申告を行うことのデメリット、リスクとなります。

また、3年以内の贈与に関して入力を行う項目があります。しかし、

・贈与なのか名義預金なのか、というのは相続税申告書作成時や税務調査においての最大の論点と解されます。
・名義預金であれば当該画面ではなく、現金・預貯金等の画面で入力するはずです。

などの重要論点が含まれており判断を誤る可能性があります。ここが、自分で自力で相続税申告を行うことのデメリット、リスクとなります。

申告書のダウンロード・印刷

入力が終わり、「申告書のダウンロード・印刷」画面に進むと、自動的に相続税申告書が生成されます、PDFで出力されますのでブラウザの「印刷」ボタンから印刷してください、との記述がありました。また税理士署名欄に広告表示が入りますが、税務署にそのまま提出可能です、との記述がありました。

まず国税庁が無料で提供している相続税申告要否判定コーナーは、すべてを入力完了しても、相続税申告書として印刷することは不可となります。AI相続は無料で印刷できます、また税理士署名欄に広告表示が入りますが提出に関して問題は無いようです。相続税申告要否判定コーナーでわざわざ入力するのであれば、AI相続に入力した方が合理的かもしれません。

税務署への提出納税

おつかれさまでした。マイナンバーおよび提出日を手書きして、必要な帳票を添えて税務署に提出することで相続税申告の完了です、との記述がありました。

ここで解説いたします。「必要な帳票を添えて」とさらっと記述がありますが、相続税申告書の添付書類は複数ありますのでご注意ください。

まとめ

・AI相続は完全無料で相続税申告書を作成して提出可能のようです。
・AI相続は小規模宅地等の特例計算も対応しているようです。
・ただ税理士からの目線としては、さらっと入力するところが実は大きな論点であるにも関わらず、立ち止まることなくとにかく進んでいく、というようなイメージでした。
・相続税全体の計算についてはとても自信があり、とにかく相続税申告書を作成するのが難しい、億劫だ、めんどくさい、という方については無料で最高のソフトである、と解されます。