ここまで、財産評価の方法土地の評価方法を説明してきました。また、小規模宅地の特例生命保険の非課税枠などの減額の特例制度があります。これらを加味して評価した遺産の総額が基礎控除の額を超えている場合は、相続税が課税されるため相続税対策が必要ということになります。

よくある具体例

一次相続の場合

京都に住んでいる私の家族は、父、母、私の三人です。私は結婚して両親とは別居しています。今年父が死亡し、遺産は下記のようでした。

●遺産の単純集計金額
①現預金2,000万円
②居住用住宅500万円
③宅地2,000万円
④生命保険金2,000万円

合計金額が6,500万円(①+②+③+④)となり、基礎控除の金額は4,200万円ですから「大変だ相続税がかかる」と思ってしまいます。
しかし通常は、自宅は母が相続するので小規模宅地の特例が適用できます。また生命保険の非課税枠があります。
これらを踏まえた遺産の課税価格は下記のようになります。

●課税価格の合計額
①現預金2,000万円
②居住用住宅500万円
③宅地400万円(2,000万円×20%)
④生命保険金1,000万円(2,000万円-500万円×2人)

合計額が3,900万円(①+②+③+④)となり、基礎控除の金額4,200万円を下回るため相続税はかからず、相続税対策は不要ということになります。

また今回のケースでは遺産総額が1億6千万円以下であるため、配偶者の税額軽減の制度により遺産をすべて母に相続すれば結局のところ相続税はかかりません。

ただし、小規模宅地の特例配偶者の税額軽減も申告書を作成し提出しなければ受けることのできない制度です。京都の地価は上昇傾向です。税理士と相談して小規模宅地の特例は必ず受けるようにしましょう。

二次相続の場合

京都に住んでいる私の家族は、母、私の二人です。私は結婚して両親とは別居しています。今年母が死亡し、遺産は下記のようでした。

●遺産の単純集計金額
①現預金2,000万円
②居住用住宅500万円
③宅地2,000万円
④生命保険金2,000万円

合計金額が6,500万円(①+②+③+④)となり、基礎控除の金額は3,600万円ですから「大変だ相続税がかかる」と思ってしまいます。
私は別居で持ち家に住んでいるので小規模宅地の特例を適用できません。ただ生命保険の非課税枠があります。
これらを踏まえた遺産の課税価格は下記のようになります。

●課税価格の合計額
①現預金2,000万円
②居住用住宅500万円
③宅地2,000万円
④生命保険金1,500万円(2,000万円-500万円×1人)

合計額が6,000万円(①+②+③+④)となり、基礎控除の金額3,600万円を上回るため、相続税対策が必要ということになります。

このケースで可能な相続税対策は、相続税対策の方法一覧でご紹介させていただきました、暦年贈与や教育資金一括贈与などで現預金を減らす方法が考えられます。

しかし、母の生活資金の為の現預金は必要です。また、生きているうちに母が実家を売却してお金に換えて残りの人生は賃貸で暮らすという方法もありますが、相続税対策のためにそれらの行動を起こすかどうかは、慎重な判断が必要となります。

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以上色々と説明させていただきましたが、相続税について解らないことがありましたら私たち京都の税理士ににお問合せください!無料の簡易シュミレーションをさせていただきます。