(2016年4月3日作成)(2023年8月30日再編集)

結論

・相続についてはまず税理士に相談すべきと思われます(相続放棄についてもアナウンスがあると思います)。
・弊所が税理士事務所だから誘導しているわけはございません。遺言書の作成、遺産分割協議、遺留分減殺請求、相続放棄、すべての論点において、まずは財産・債務の収集、財産・債務の評価額、という「数字」は関係・大前提となっているためです。「数字」の専門家は税理士です。
・もし仮に1番目に税理士以外の士業に相談した場合でも、税理士への相談の誘導がある可能性が高いです。
・相続の相談はだれに?の正解は「いずれかの士業に相談すれば士業が連携して解決されていく」かもしれません。

まとめた表

相続はだれに相談すればよいか弁護士司法書士行政書士税理士
1、遺言書の作成・いずれかの士業に相談すれば士業が連携して進んでいく
・相談の前提は金額が重要であることからまずは税理士への相談をおすすめ
2、遺言書の検認
3、戸籍の代理収集
4、相続人の確定
5、相続放棄
6、遺留分減殺請求
7、相続の争いごと
8、遺産分割協議の全体的な概要の相談・いずれかの士業に相談すれば士業が連携して進んでいく
・相談の前提は金額が重要であることからまずは税理士への相談をおすすめ
9、遺産分割協議書の作成代行いずれかの士業に相談すれば士業が連携して進んでいく
10、相続登記
11、相続税申告

下記において内容を見ていきましょう

遺言書「作成」の相談相手は悩ましい

・遺言書「作成」の相談相手に明確な結論は無く、不動産を含む場合は司法書士、争いを避けたい場合は弁護士、費用を抑えたい場合は行政書士のいずれか、といわれております。遺言書「作成」については税理士は除かれております。
・しかし、遺言書の「作成」について財産債務の評価金額という「数字」は前提となるため、上記と矛盾しますが、税理士への相談をおすすめすることになります。

パターン別に想定されるケースを想像してみましょう

相続発生前に遺言書作成のためまず初めに司法書士へ相談した場合

財産の所有者(将来の被相続人)が、不動産を含む財産を所有しているために、遺言書の作成のために司法書士へまず相談しました。司法書士は相続登記の専門家であるため、相続登記の不安は無くなりました。そして相続人達が納得するような平等な遺言書を作成したいと相談したが、平等な遺言書作成にあたってはまず財産・債務を収集し、評価し、分配する必要があるとのことでした。そうなるとやはり、税理士にまず相談すべきだったとなると思われます。

相続発生前に遺言書作成のためまず初めに弁護士へ相談した場合

財産の所有者(将来の被相続人)が、遺留分を侵害しないような遺言書の作成のために弁護士へまず相談しました。そして相続人達が遺留分減殺請求をしないような遺言書を作成したいと相談したが、そのような遺言書作成にあたってはまず財産・債務を収集し、評価し、分配する必要があるとのことでした。そうなるとやはり、税理士にまず相談すべきだったとなると思われます。

相続発生後に相続登記のためにまず初めに司法書士へ相談した場合

相続人が不動産の相続登記を心配して相続発生後に司法書士へまず相談にいきました。司法書士は相続登記の専門家であるため、相続登記の不安は無くなりました。不動産のみの遺産分割協議書を作成すれば相続登記は可能だが、他の財産がある場合には結局他の財産も含めて遺産分割協議を合意しなければならず、その合意のためには財産・債務を収集し、評価し、分配する必要があるとのことでした。そうなるとやはり、税理士にまず相談すべきだったとなると思われます。

相続発生後に遺留分減殺請求が発生したためまず初めに弁護士へ相談した場合

相続発生後に遺言書に従って財産の多くを取得した相続人が他の相続人から遺留分減殺請求を受けた、ということでまず初めに弁護士に相談しました。確かに争いがある場合には弁護士への相談は適切でしたが、遺留分侵害の算定にあたっては財産・債務を収集し、評価し、分配する必要があるとのことでした。そうなるとやはり、税理士にまず相談すべきだったとなると思われます。

相続税申告期限10か月より前に期限の来る相続放棄にお気を付けください

相続放棄は相続発生後3か月以内の期限となります。相続放棄の相談については、司法書士、弁護士が適切です。ただ、税理士でも当該論点は重要ですので、税理士からのアナウンスもあると思います。

まとめ、いずれかの士業に相談することが正解かもしれません

まずはいずれかの士業に相談しましょう、そうすれば士業が連携して進んでいくと思われます。